初心者や初めての方にも分かりやすく革靴の磨き方や鏡面磨きの方法、コツや使用する道具を紹介しています。革靴は、丁寧にお手入れをして磨き上げ、きちんとケアをすると長くと履き続けることができます。
もちろん底は消耗品ですので修理・交換等の必要はありますが、アッパーの革は丁寧に手入れをすれば長持ちいたします。
紳士靴の基本的なデザインは、数十年間ほとんど変わっていません。これからも大きく変わることはないと思います。ですので、足に合ったお気に入りの靴は、いつまでも履きたいですよね。
靴磨きは、出来れば一カ月に1度ぐらいはしていただきたいです。こちらのページでは革靴の磨き方や鏡面磨きの方法、お手入れのコツをご紹介しています。
本日はコロンブス ブートブラックを使い、下の写真の靴を磨きます
【1.ブラッシング】
靴を磨く前に、馬毛のブラシを使って、ゴミやほこりなどを取り除きます。
下の写真のブラシは、ジャーマンブラシNo,2(馬毛)です。
靴ブラシの使い方
一般的に馬毛と豚毛は以下の用途に使われています。
馬毛:毛先が細く柔らかい毛で、靴についたホコリを落とすのが主な役割です。
豚毛:硬くコシのある毛で、クリームを均等に伸ばす役割です。コバ周りやステッチ、それに履きジワなどに効果的です。
【2.表面の古いワックスなどを取り除く】
革の表面には古いワックスやクリームが残っています。まずは、汚れ落としを使ってこれを取り除きます。
汚れ落としには、ブートブラックの「レザーローション」と「お手入れクロス」を使っています。
ブートブラックの「レザーローション」は、ローションの透明度を高くすることにより皮革の質感、色等に悪影響を及ぼすことなく強力に汚れを落とします。また、ホホバ油配合により、皮革に柔らかさと潤いを与えしなやかにします。カビ止剤も入っています。
適量をクロスにつけ、全体を拭いていきます。
汚れ落としを使って拭くと、下の写真のように光沢がなくなります。
【3.クロスの巻き方】
汚れ落としを塗ったり、靴クリームを塗ったり、あるいは磨いたりするときにクロスを使います。布は使い古した綿が最適です。着古した綿のTシャツを裁断して使用しても大丈夫です。Tシャツを幅15cmぐらい、長さは30cm~50cmぐらいを目安にハサミで裁断します。
裁断したTシャツを指に巻きます。
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1.Tシャツの適当な箇所に、人差し指と中指をそろえて張ります。
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2.後ろでねじります。
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3.ねじったTシャツを指に巻きつけます
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4.巻きつけます。
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5.巻きつけます。
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6.余った部分は手のひらの中に収めます。
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【4.靴クリームを塗ります】
靴クリームはブートブラックのカラー:ブラックを使います。
靴クリームは、革に栄養を与えるとともに、傷などを目立たなくする補色効果もあります。
ただし、カラー:ニュートラルは無色のため、どんな色の革にもお使いいただけますが、補色効果はありません。
ブートブラックの靴クリームは乳化性です。(水と油を混ぜることを乳化)
人間のお肌と同じで、革も水分と油分が大切です。
ブートブラックの靴クリームは、着色力をアップさせ光沢効果に優れたWAXを配合した乳化性クリームです。
適量をブラシに取り、薄く均一に塗っていきます。毛先に少しつけるだけです。
靴クリームはよく伸びますので、つけ過ぎに注意してください。
ブラシはジャーマンブラシNo,8(豚毛)を使っています。
ブラシを使って塗ると、細かいところまできっちりと塗ることが出来ます。
ブートブラックの靴クリームは、限りなくケミカルを排除し、革に潤いを与えるコラーゲンと、革の劣化を防ぐビタミンE、光沢効果に優れたカルナバワックスを配合しています。クリームの安定性にもこだわり、最後まで一定の品質でご使用いただけます
全体にクリームを塗り終えましたら、ブラシを使って、全体をブラッシングして、余分なクリームを取り除きます。使用するブラシはジャーマンブラシNo,5(豚毛)です。
ブラッシングを終えました。クリームだけでも光沢が出ますね。
【5.ポリッシュを塗ります】
ポリッシュは、ブートブラックのカラー:ブラックを使っています。
ポリッシュの成分として、ワックスが多く入っています。
ポリッシュは靴に光沢を与え、雨やほこり等から革を保護する役割があります。
ブートブラックのシューポリッシュは、光沢効果の持続に優れたWAXクリームです。耐水性が高いのも特徴です。
ポリッシュをクロスにとり、薄く均一に塗ります。塗り終わったら、クロスの綺麗な部分を使って全体を磨き上げていきます。
ポリッシュの使い方として、下の写真のようにポリッシュを乾燥させるという方法もあります。
1週間ぐらいポリッシュの缶のふたを開けておくと、ポリッシュに含まれている有機溶剤が蒸発してなくなります。大きさは70%ぐらいに縮まります。こうすることでワックスの濃度を高めます。ポリッシュは硬くなりますが、多くのワックスを一気に塗れるので、光沢を出しやすいです。プロの靴磨き職人がよくこのようにポリッシュを乾燥させています。
コットンなどで全体を磨きます。この後、パンティストッキングで磨き上げて終わりにしても結構です。パンティストッキングで磨くと、かなり綺麗になりますよ。一度パンティストッキングで磨いてみてください。
ポリッシュで磨き上げました。
【6.革底のケア】
革底もケアしましょう。革底用保革剤を塗ります。革底に柔軟性が出て、底が長持ちします。
今回はブートブラックのソールコンディショナーを使います。
カビ止め剤配合ですので、梅雨の時期などはぜひ塗っておきたいですね。
適量を布にとります。
塗り終えました。
塗り終えましたら、保革剤が乾燥するまで、陰干しで乾かします(20~30分で乾きます)乾燥すると底がサラッとします。
革底に、ミンクオイルを塗る方法もあります。
ミンクオイルは革に柔軟性を与えます。また、油分なので水を弾きます。
革底はカビが生えやすいので、カビが生えにくいように雨などの水分から底を守ります。
【7.コバのケア】
コバとは、革底の側面の部分のことです。
ブートブラック エッジカラー コバインキを使います。
キャップを開けると、塗布用のスポンジがついています。
塗りやすくなっています。コバインキは着色力がとても強いです。
机などを汚さないように新聞紙などを敷いたほうがよいと思います。
コバに塗ります。アッパーなどにつかないように慎重に塗ってください。
もしアッパーについた場合は、汚れ落としですぐに拭きとってください。
10分ぐらいで乾きます。乾いたら、布などで拭きあげると光沢が出ます。
コバ用のクレヨンもあります。インキほど着色力は強くありませんが、
おてがるに使えて、小さい傷ならばパテのように傷を埋めてくれます。
【8.仕上がりました】
靴箱に保管をして、次のお出かけまでお休みなさい^^
木製のシューキーパーのことをシューツリーと呼びます。
靴のシワを伸ばし、靴の形を綺麗に整えます。また、木製なので除湿効果もあります。
【9.保管と日常のお手入れ】
下駄箱に入れました。
できればシューツリーのご使用をお勧めいたします。
シューツリーを靴に入れる前に、除菌効果のある消臭剤を吹き付けると臭いに対して効果的です。
消臭剤は、コロンブス オドクリーン プラチナミストを使っています。
日常のお手入れは、靴を履かれる前に、馬毛のブラシでブラッシングをして、ほこりなどを落とします。
その後、クロスなどを使って磨くと綺麗になります。