手植えの技術は、機械植毛に比べて強固な植毛構造になっており、非常に信頼性のある技術です。台座となる木地に穴を開け、そこにブラシの毛を2つに折り、引き線を巻きながらその穴に差し込んでいく作業は、毛が切れず、かつ抜け落ちない力加減が難しく、非常に時間と手間のかかる作業です。
その手間をかける理由は、高品質の天然毛にあります。ブラシの最も重要な部分であるからこそ、目利きのある職人が馬毛、豚毛、山羊毛、それぞれを厳選し、採用しています。これらの特長により、皮革製品用のブラシの基本性能である「払う」「伸ばす」「光らせる」を効果的に行うことはもちろん、耐久性も高まるため「末永く愛用し、ブラシを育てる」ことが出来ます。

熟練の職人さんの数が限られているため、手植えブラシは大量生産が出来ません。メーカーさんからは、馬毛ブラシ+豚毛ブラシ+山羊毛ブラシの製造数をすべて合わせて年間150個程度の製造しか出来ないと聞いています。
