コードバンは馬のお尻の革です。しかも、ヌバック状の裏革でもあります。
※ヌバックとはスエードと同じ起毛革です。革を加工する最後に毛穴をつぶして磨いているため革に光沢があります。
銀座大賀靴工房に置いているコードバン革ですが、やっぱりお尻のかたちをしています。
日本ではコードバン革がとても人気があります。サフィール社の社長が「なぜ日本ではこんなにコードバンが人気なんだ」と、驚いたという話も伝え聞いたこともあります。あまりの人気のため、日本のユーザーのためにサフィール ノワール コードバンクリームが生まれました。
さて、ここで牛と馬の革の特性をご紹介します、
牛革:繊維が縦横十字になっています。
馬革:繊維が縦のみです。
馬革(コードバン)は強い革ではありますが、メンテナンスをおこたり、革が乾燥した時に、強い引っ張りがあると、縦にざっくりと裂ける場合があります。
そこで、コードバン専用クリームは、縦繊維の隙間に、油分、ワックス分をしっかりと染み込ませて、革の乾燥を防ぎ、柔軟性を保つことを目的としています。メーカーさんごとに内容成分は違いますが、目的は同じです。
通常の靴クリームとコードバン専用の靴クリームを比べるとコードバン専用のほうは黄色っぽい色になっています。これは油分、ワックス分の色です。
ニュートラルのクリームで比較をしてみました。
左が通常の靴クリームのニュートラル。右がコードバンクリームのニュートラルです。
コードバンクリームのほうが、なんか濃いそうですね。
日々のメンテナンスは靴クリームだけで大丈夫ですが、靴が雨に濡れ、その後乾燥した時は革から水分油分がかなり抜けます。そういう時には靴クリームを塗る前に、ローションで下地処理をして、深く革に水分油分を浸透させてから、靴クリームを塗られることをおすすめさせていただきます。
また、突然雨に降られた場合、靴に雨ジミが出来ることがあります。嫌ですよね、せっかくのコードバンが台無しです。雨ジミが出来たときは、シミの周りにステインリムーバーをボトボトに塗って、シミの周り全体が塗れたような状態にしますと、シミが目立たなくなります。雨の日にはコードバンを履かないのですが、突然雨に降られることもありますよね。何度もこれでシミを消しました。