「靴クリームは、財布とかカバンとかにも使えますか?」という質問を何度か受けたことがあります。
結論から書きますと「使えます」。
ただし、以前にも書きましたが、靴クリームには有機溶剤が入っていますので、財布が臭くなります。1ヶ月ぐらいニオイが消えないと思います。
また、靴クリームには、顔料あるいは染料と呼ばれる皮革を着色する成分が入っています。この着色成分が服を汚したり、お肌を汚す可能性があります。
ですので、靴クリームは革小物にも使えないことはないですが、やめておいたほうがいいです。
靴クリーム系で革小物にも安心して使えるのは前回紹介をしました
無色で有機溶剤が入っていない、デリケートクリームです。
【顔料と染料】
●顔料とは、大雑把に言いますと色のついた微粉末です。
顔料は水や油には溶けず、皮革表面に付着することで着色をします。
代表的な顔料を配合した靴クリーム
●染料は、字の通り皮革を少しずつ染めながら着色します。
染料も色のついた微粉末ですが、水や油に溶けるため、皮革に染み込んでいきます。
代表的な染料を配合した靴クリーム
顔料系は微粉末が皮革の上に乗っているだけなので、汚れ落としのクリーナーを使うと顔料が取れて色が落ちやすいです。
古い汚れた顔料が落ちるからこそ、靴クリームを塗るたびにフレッシュできれいな顔料が付着します。
染料系は皮革を徐々に染めますので、使うたびに皮革が染まります。汚れ落としのクリーナーで汚れは落ちますが、染料は落ちません。落ちないからこそ、上塗りにより、きれいなカラーが長持ちをいたします。
顔料系も染料系もメーカーさんの個性であり、信念だと思います。どちらも良い商品であり、よい製法だと思います。
【ブラックは真っ黒ではありません】
ブラックの靴クリームには当然黒の顔料が入っています。しかし、赤や青の顔料も含まれています。
黒だけよりも、赤や青の顔料を配合することで靴クリームを塗った後、より深みのあるブラックになります。この、何色をどれだけ配合するかは、各メーカーさんの企業秘密です(*^^*)
もしブートブラックのブラックの靴クリームを持っていられたら白い紙の上に少し塗って、広げてみてください。紫色が現れてきます。靴クリームだけでなくポリッシュも同じです。
ダークブラウン系の靴クリームにも赤や青の顔料が配合されています。メーカーさんが試行錯誤して作り上げていることがうかがえますね。
年々、靴クリームの内容成分は化粧品に近い高級なものになっています。しかし、この着色という点が、化粧品とは最も違うところだと思います。